オートバイに触れていると色々な「???」に遭遇するものです。皆さんの中にも「そういえばアレって、どういう意味なの?」という用語やメカニズムなど疑問を抱いている人が多いのでは……。なかでも仲間が当然のように話していて「いまさら人には聞けない」というケースが意外に多いはず。そこで当コーナーでは「いまさら聞けない」疑問・質問を中心にライダースクラブの精鋭スタッフ(?)がアナタの質問にお答えします。
「2stと4stって結局どう違うの?」「外車って何で高いの?」等々、実際のところどうなのという質問をお待ちしています。尚、匿名(都道府県とイニシャルのみ記載)ご希望の方はその旨お書き添えください。

皆様より多くのご質問を頂いております。誠に勝手ながら全てのご質問にお答えできない場合がございます。予めご了承下さい。

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 いつも楽しく読んでます。自分は39才の少年以上、大人未満の単車のりです。一つ教えてください。最近のMOTO GPで特に目立つのですがターンインでのブレーキングドリフト。あれはハードブレーキング故のリアタイヤトラクション抜けがなせる現象だと思うのですが、その後なぜ見事にトラクションを復活させて旋回に入れるのか不思議でなりません。自分であんな状況になったら固まってアウトコースに吸い込まれるはずです。自分で真似る次元では無いことは十分承知した上での純粋にテクニカルな意味での質問です。トップライダー達はその時どんなことをして、それがどのように作用しているのか教えていただけませんか。技術屋としてとても興味があります。決してまねしません(するつもりもありません)。多分、このような質問に答えるのは不特定多数の単車のりに対して好ましくない結果を生じると御配慮なされるものと思いますので公開回答まで期待しません。教えていただければ幸いです。(DUCATI916SPS & AFRICA TWINさん)
 間違いなく誰も真似しない(できない)ことなので、心配なくお答えします。MOTO GPのコーナーへアプローチするときのブレーキングは、確かに凄まじいモノがあります。映像では、強烈なブレーキングで前後輪がドリフトしているように見えます。実はコレ、あまりのハードブレーキングに車体がステアリングヘッドを軸に横へ逃げているからなのです。つまり、普通なら減速時にステアリングヘッドが車体のマスや重量を真っ直ぐに受け止めるのに対し、猛烈な荷重を受け止めきれないため僅かなきっかけで左右どちらかへ車体が振り出してしまうというわけです。もちろん、減速Gで荷重が前輪に大きく偏り、後輪は浮いてしまうほど荷重が抜けています。そこへエンジンブレーキやリヤブレーキが強く効いていると、後輪が跳ねるなど暴れて次のリーンのきっかけを失わせてしまいます。プロは適度にこの後輪への減速効果をコントロールしながら、リーンの寸前にハードブレーキングを緩めます。この一瞬で後輪は車体と共に真っ直ぐ向き接地圧も回復します。それでリーンしながら鋭く曲がりはじめることができるのです。これはMOTO GPマシンが、超強力なFブレーキを装備していることと、スリックタイヤという想像を遥かに超えるグリップ力とダンピング性能を持つFタイヤ、さらには超々強大な減速Gが加わり深く沈んだ状態でも微少な路面追従の動きを保つFフォークという組み合わせで、信じられないストッピングパワーが発揮できるからなのはいうまでもありません。真似ようにも、そこまで減速Gを生むバイクは一般に市販されていないので不可能です。それにしても、あの状態で落ち着いてコントロールしているトップライダーたちは、さすがというほかありませんネ。(根本)